携帯小説『金木犀』

恋愛ものの小説(フィクション・ノンフィクション)や、時事コラムなどを思いついた時に書いてます!お時間あれば時間潰しになればと思っております!

新コラム「営業のプロ!試される人間力」

『営業のプロ!!〜爽やか営業マンの人間力〜』



  1月中旬、私は出張で半年程取引をして頂いた企業の方に契約満期の御礼をする為仙台を訪れた。

Aさん…。30代半ばの爽やか系な彼。

私は営業時、商品の魅力を最大限にPRし、満足して頂ける商品を提供できるように最大限に努力しているが、Aさんから学ぶ事は毎回新鮮な知識ばかりで、常に私の考え方を上回っている。その上、更に商品の魅力を引き出してくれる、私からすれば営業マンの鏡と言っても過言ではない人柄なのだ。

  私は多くの営業マンの方と接してきたが、このAさんと時を共にする時間程大切だと思った事はない。会う度に、接する度に私の考え方や知識を成長させてくれるからだ。

仕事を一通り終わらせ、Aさんと仙台市内の居酒屋で食事をすることになった。

週末の助けや新年会の時期が重なり、どこのお店も満卓で8件程居酒屋を探す羽目になった。

ようやく9軒目で入れた居酒屋で、お品書を眺めるAさんと私。

「やっと入れましたね。でも…。ビール、サントリーしかないんだ…。」

と私が残念そうにAさんに話しかけると、Aさんは「ビールがないわけじゃないし、サントリーでもビールがあって良かった。やっと落ち着いて、飲めますね!」と、おしぼりで手を拭きながら返答してきた。

「そぉですね!早速頼みましょう。つまみは何にしましょうか?」

私はビールをオーダーし、何気なく流した会話だったが、Aさんは続け様に、コップに入った水の話をし始める。

『例えばですよ!「コップに水が半分しか入っていない」とネガティブに捉えるか、「半分も入っている」とポジティブに捉えるかは、その人の考え方次第で、見方というのは人それぞれですが、コップに入っている水が半分であるという事実は変わりないじゃないですか?』

思わずハッとさせられた私。

どこで学んだのか、何か論理的で難しい話だと感じる方もいるだろうが、Aさんの人間力は、この様な会話から垣間見れるのだ。

  サントリーしかないとネガティブに考えるか、やっとお店が見つかり、食事ができる上にビールも飲めるとポジティブに考えるか次第で、お酒を飲みながら、有意義な会話をできる事実は変わらないとAさんは伝えたかったのだ。

何事も、営業という職を含めあらゆる分野の職で、成功と失敗は付き物である。しかし、成功と失敗のライン引きは、起こってしまった事実ではなく、事実自体をどう捉えるかというその人考え方や物の見方次第なのだと思う。

恐らくだが、私達の様に仙台市内で飲食をしている人の中には、会社の悪口や上司の悪口を言っているビジネスマンが沢山いるであろうし、隣の席から聞こえてくるのは友達の批判だったりするかもしれない。

事実は1つでも見方は十人十色で変わってくるはずだ。例えばだが、「Bさんはとてもいい人柄だが、仕事が遅い」というのは少々批判気味に感じ取れるが、「Bさんは仕事は遅いがとてもいい人柄だ」と言い換えれば印象は随分変わってくる。同じ事実であっても捉え方によって印象が変わり、自分の思考回路を徐々に変えていくのだ。

いつもの行動を少し変えれば、習慣が変わり、いつもの習慣が変わってくると人格が変わる。そして、人格が変われば運命が変わり、運命が変われば人生まで変わり得るのかもしれない。

言葉は便利なコミュニケーションのツールだが、使い方を間違えると、自分の人生を縛る道具にもなり得る。言葉を上手く使いこなす事で、自分を変える力を持っていると思う。

今後Aさんと仕事上での付き合いは恐らくなくなると思うと残念であるが、営業という職は「言葉を操るプロであれ!」とAさんから何度も教えられた。これからは、自分で成長しつつ後輩ができればAさんの考え方を少しでも継承していきたいと思った一コマであった。

STORY11 男同士の約束

STORY11 男同士の約束

『衝撃の事実』から一夜明けた午前8時。




大学へ通学する車内。

「ねぇ?ケイタ?昨日の話だけどさぁ…。どぉしようね…。しかもさぁー。絶対気まずいよね?康太はレミを好きって、カズサに伝えたんだもね?大丈夫かなぁ…。」

「いやぁ…。なるようになるしょ?だって…。康太がカズサを振ってさぁ…。レミを好きになった事は、紛れもない事実だしなぁ…。ただ、謙三が、その事を知った時にどういう反応見せるかだよなぁ……。」

「んー…。確かに…。謙三は、まだこの事実知らないもねぇ?」

「たぶん…。知らないんじゃない?まぁ…。あとはカフェであいつらがどういう反応するかどうかでしょ?」


2限の講義前、カフェに顔を出す俺とまりえ。

康太が1人カフェの隅で、テトリスをしている。


「よぉっ!康太!おはようさん。」


まりえも気を使いつつ軽く手を振る。

「おぅ!ケイタ!まりえ!おはよっー!」


「康太よぉ…。俺昨日も飲んじまったぁ…。いい加減抑えねーとなぁ。」
心で思っていた言葉とは裏腹に、平然を保つかの様に会話を仕掛けた俺。

「しっかし!ケイタは相変わらず酒好きだよなぁ…。」

以外にも康太は軽快に返事を返してくる。


と、そこにまずカズサ登場。

「衝撃」の張本人が二人とも揃った。

「みーんな!おっはよぉ!二限の講義のレポートできたぁー?」

正直俺は耳を疑うと同時に、昨日の「衝撃」を全く感じさせない開き直りように驚いた。


「なぁー?そういえばよ!昨日のドラマ!ドラマどぉだったー?俺ちょっと用事あって見れなかったんだよなぁ…。」

康太も気転が効く会話を持ち掛ける。

「ちょっと用事」は、恐らく昨日の「衝撃」の事なのだろうか…?

カズサとの気まずさを隠したかったたのだろうか…?

「って言うかさぁー!あの女優、前より性格わるくなったよねぇー?あれ、役柄なのかなぁー?」

と、カズサも康太の会話に乗る。

カズサと康太の絶妙すぎる演技の裏事情を全て知っている俺とまりえ。



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ここでカズサとレミ、健三と康太の恋愛相関を整理してみる。


カズサは康太に告白したが振られた。

康太はカズサからの告白を振り、レミを好きな事をカズサにカミングアウトした。


健三はレミといつも一緒だが、好きという感情は未(いま)だ不明。

レミの感情は健三、康太どちらに向いているのかも未(いま)だ不明。
===========


そこにレミと健三が姿を現わす。

「よぉー!おはよーさん!レポート終わらなかったわぁー。ケイタできたかぁー?」

寄りによって、今日も2人揃っての登場…。

謙三もレミも、昨日の「衝撃の事実」は知らない模様だ。

すかさず康太に目をやる俺。

昨日の「衝撃」から想像すると、健三とレミに向ける康太の眼差しは羨ましそうに見えた。



しばらく、ドラマやレポートの会話が飛び交う現場。

「やべっ!2限はじまっぞぉ!行くべよ?ちっと、早めに行って、ケイタのレポート、パクらせてくんねー?」

と謙三。

「お前!俺のパクったら、俺も教授に疑われるだろー?」

「完全には、パクんねーから!いーべよぉー!さぁっ!いった、いったー!バッグでも、お持ちしますかぁー?」

謙三は、本当にお調子者だ。


6人はそれぞれの講義に散らばったが、あの場面そして気まずい空気感、何も無く過ぎ去って良かったと心の中で呟く俺だった。








ところが講義中。






康太からメールの着信。


(2限終わったら、昼飯前に時間あけられねーかぁ?談話室で待ってるからよ!)






談話室。

「わりぃー。遅くなったわぁ。康太、どしたぁー?」

「あっ…。うん…。」

なかなか口を割らない康太だったが、重々しい口が徐々に柔らかくなる。


タバコを吸いつつ、
「なぁ?ケイタ?昨日カズサとちょっとあってよぉ…。」


「カズサー?なんかしたのぉ?つーか、浮かねー顔だなぁ!?何があったんだよー?」



「衝撃の事実」を何も知らないふりで話を聞き出す俺。

「実はよぉ…。昨日なぁ…。カズサから告られてよ…。まぁそれはいいんだけど…。俺実は…。誰にも言ってないんだけどよ…。思っている人がいるから断ったんだわぁ…。」


「はぁっー!?まぢでぇ?!」

「お前っ!あんまりデケェ声出すなよっ!」

「わりぃ…。そぉだったんだ。あいつも、ほんとに恋多き女っていうか…。それで、康太の気になるやつって誰なのよ…?俺知ってる人?」



「あぁ……。ぅん。レミ。」


「レミーーー!!」

「だからっ!声デケェって!健三との関係は分かってんだけど……。なんか…自分に嘘つけねーし…。」


「あっ…わりぃ……。んで、どぉしたいの?」


正直、康太の前で初耳の如く相談役を演じるのは難しかった。


康太は大きくため息をつきながら、

「いや…。とりあえず正直に謙三と話すわ…。健三はレミの事どう思ってるのか分かんねーし…。それから、レミに告ろうと思ってる。」

「まぁ…。謙三はレミを好きかどうか今の時点では分かんねーもな。話せばわかってくれんじゃねぇかぁ?ってかよぉ!康太頑張れよ!何かあったら、相談乗るからよっ!」

「サンキューなっ!!なんか、すこーしだけど楽になったわぁ。んじゃ、またあとで。」


俺がカフェに戻ると、康太と俺以外は皆揃っていた。

「あっ!こっち、こっち!遅かったなぁ!?どこで油打ってたんだぁ?」

と、謙三。

「いや!わりぃわりぃ。ちょっと腹痛くてよ!」

「なげぇ便所だなぁ…。」


まりえは俺の顔をじっと見て、何か言いたげな様子だ。

「あっ!そーいえば、学生課にレポートの許可証出さないと!ケイタたち出したのぉー?昼休み中に済ませないと!」

と、何も知らない渦中(かちゅう)のレミ。

「俺らは、もぉ出したよ!早く出してきなよっ!」




謙三とレミ、カズサが学生課に席を立った時、まりえが小声で会話を持ちかけてきた。

「ねぇ?ケイタ。康太と話してきたでしょ?私、だいたいわかるんだからね。」


「いや…。今康太もカフェ来ると思うし、その話は後で言うから。」




4限が終わり、アパートに帰宅。

「ねぇー!ケイタ!私に、何か言うことあったでしょっ!?」

忘れていないと言わんばかりにまりえ。

「あぁ…。康太がねぇ。謙三と話して、レミに告白するってよ。その相談…。」

「そっかぁ…。何かグループ内でのトライアングルってきついね…。謙三がレミに対して好きっていう感情がないといいんだけど…。」




突然、時間を見計らったかのように、謙三から着信。

「お疲れっ!ケイタ!今日宅飲みでもしねぇ?」

「まーた!どぉせ俺のアパートだろ!?」

「よーく、お分かり。」

「ちっとまりえに聞いてみるから。ちょっと待って。」


まりえの顔を見ると、話の内容を聞いていたかの様に、小さく2回うなづいた。

「だいじょぶだってよっ!とりあえず7時頃なぁ。」

「わっーたぁ!レミも連れてくわぁー。」

電話を切ると、まりえが。

「まさか、ケイタ!謙三にカミングアウトするわけじゃないよね?」

「するわけないでしょ!それは、康太から直接の話でしょうよ!」





4人で飲みを開始したが、飲み始めてすぐ、康太からも着信があった。


「お疲れっ!昼間は悪かったなぁ…。ケイタ?ちょっと飲み付き合ってくんない?」


俺の心の中は、
(まーぢかぁ…。よりによって、今日かよぉ…。)だけでいっぱいだった。


「今謙三とまりえと宅飲みしてるよ。良かったら来なよっ!」

「まぢかぁ…。どぉすっかなぁ…。行くかっ!!」

俺は敢えてレミの名前は出さなかった。



康太は、レミの存在を想像していなかった様で、部屋に入った瞬間から気まずそうにしている。

「おっーすっ!これ、俺からの差し入れ!あれっ!レミも居たんだぁ?」

「お疲れっ!!康太おせーぞぉ!」

と、何気なく謙三は話しかける。



レミは明日、就職ガイダンスの為いち早く帰宅したが、康太のレミに対しての気持ちは、談話室で話をしていた時よりも熱が入っているような気もした。
その上、自信の様なニュアンスまで見え、話しかけるタイミングも以前より鋭く、優しさも存分に醸し出されていた。


この飲み会中に、いつカミングアウトしても可笑しくはない状況。

レミが早く帰ってくれた事で胸を撫で下ろした。



酔いも進んだ午後22時頃。







康太が静かに口を開いた。




テーブルの対角線上に座る康太と健三。




「なぁ…謙三。俺言わなくちゃならないことがあるんだわ…。」

緊張感が漂う室内。

「はぁーっ!?なんだよっ!かしこまって!」

「実は…。」

謙三は康太の真面目な態度に、笑いも織り交ぜ呆気に取られている。

「なーんだぁー!早く言えよ!(笑)」


数秒ぐらい沈黙。

俺のアパート内が、静まりかえる。


緊張感から解き放たれたいが為、すぐ様アパートから出て行きたかった。

「いや、実は俺!!レミのこと好きになっちまった。わりぃなぁ…。謙三とレミの関係知ってて、こんなこと言うのわりぃって思ったけど。何て言ったらいーか、わかんねーけどよぉ…。」

謙三も、しばらく黙り込む。

「まーぢでぇ!?いやぁ、康太!そぉだったのかぁ?そっか、そっか…。」


少し笑いつつも、焦りを隠せない表情の謙三。

すると健三はタバコに火を付けひと息つく。

「実はよぉ…。俺もレミの事好きなんだわぁ!いっそのことなぁ!勝負すっかぁ!?それで負けた方は、後腐れ無しってことで!それで決めよーぜ!どっちもダメになるかもしれねーし!」

依然として焦りを隠しながら、下手くそに笑う健三。

「それまぢで言ってんの!?なんかわりぃなぁ…。俺入り込む隙間あんのかなぁ…?」

と、康太。

「悪くねーよ!!!それは、運命のイタズラっていう言葉だっぺよ!つーか、俺に興味ねーかもしんねーし!」

と謙三。



俺は康太と謙三の会話が、なんとも切なく、大人の会話、いや男同士の会話にも聞こえた。


「おぅっ!お互い正々堂々の勝負ってやつだべや!がんばんべよっ!」

「そうだなっ!!」

康太と謙三は硬い握手を交わして、お互いを励まし合う。



まりえは、そんな男同士の約束と決意に安心したような顔で、

「よかったのかなぁ?でも、良かったんだよね……?2人共いいアプローチするんだよぉ!」

と笑った。


「なーんか…。ケイタとまりえに臭い会話聞かせっちまったなぁ。」

と、謙三。

「いやっ!正直焦ったしよー!喧嘩でも始まるかと思ったわっ!!まぁ !とりあえず、二人とも頑張ってっ!」

俺もようやく心から笑えた。


この街にも、金木犀の香りが届いた頃……。
その香りがアパートの窓を通り越し、男同士の約束と合間って更に美しく際立った。

STORY10 伊豆旅行〜動き出した恋〜

STORY10 伊豆旅行〜動き出した恋〜



事件翌日の朝6時。


廊下の看護師どうしの会話で目が覚めた俺。

左に顔を向けると、俺の横には疲れ果てて眠りに落ちるまりえの姿があった。

向かい側のベッドには健三が眠っている様だ。

俺の動きでまりえが目を覚ます。

「ケイタ!?だいじょーぶ!?痛いとこない?」

「ぉぅ…。なんとか…だいじょーぶだわ…。」

「今看護師呼んでくるからっ!」

頭部に巻かれた包帯を気にしながら起き上がる俺。

「おぃっ!健三!!お前起きてんのかぁ?」

すると健三は、軽く右手をあげて反応する。

「まーったく…金属バットはねぇよなぁ…頭痛ぇしよぉ…。」

「まぁ死ななかっただけでもいいべ!あいつら全員お縄だったわけだし…。」

「まぁなぁ。そぉ言えば康太だいじょぶだったかなぁ?」

ゆっくり身体を起こしながら健三。

「あいつはだいじょーぶだべ!おぃおぃ…お前起きてだいじょーぶなのかよっ!?」

「早く退院して飲みてぇよ!」
と苦笑いで健三。

「お前は病院でも酒の話かよっ!?」
少し呆れる俺。


健三との軽い会話が終わると同時に看護師とドクター、まりえが部屋に入ってきた。

看護師が血圧を測る中。

「CTで異常がなかったし、数日様子見て退院できると思いますよ。」

とドクター。

「ほんっとっ!昨日心配で心配で!ケイタ!死んじゃうかと思ったんだから!3時間泣き続けたんだから…。」

と今にも泣き出しそうなまりえ。

「まりえ!ケイタは死なねーよ!俺だよ…死にかけたのは…。」
と、苦笑いで健三。

「まったくっ!2人とも心配かけ過ぎなんだって!」
と、まりえ。



健三もCTで異常は見られず数日で退院できるとのことだった。



午前、10時頃。


「ちぃっーす!」
「なーんだ!起きてんじゃん!」
「だいじょーぶそうだね!」

康太、カズサ、レミが見舞いに訪れる。

「康太!お前!『ちぃっーす!』じゃねーよ!お前はだいじょーぶだったのかよっ!?」

「俺!?俺はだいじょーぶだって!お巡りには事情聞かれたけど、お咎(とが)め無しだってよ!健三も大丈夫そぅだし良かったなっ!」
と、康太。

「相変わらず康太は、喧嘩だけは強いわなぁ!酒はクソみたいに弱いけどな…!」
と、健三。

「まぁなぁ!しっかし!ケイタ!お前あの場面で、よくまりえの事が世界一好きだ!なーんて言えたなっ!?」
と、康太。

「おまっ!お前!まじで!うるせーからっ!」
舌を散りながら俺。

「えっ!?なんのことっ?」
まりえは、少し不思議そうに顔を赤らめる。

「まぁまぁまぁ…この話はいいって!康太も余計な事言ってんじゃねーよっ!」

「はいっ!はいっ!分かりましたよっ!」

「えっ!?なんのことなのっ!?ケイタ!言わないと頭叩くからねっ!ほらっ!早く言いなさいって!」

「えっ!やめろって!まじでっ!!あとで話すからっ!」


病室内に6人の笑い声がこだまする。



一週間後、俺と健三は無事退院した。






===========



カフェ一階喫煙所。

昼下がりに康太とタバコを吹かす俺。

「あっーー!やっと退院できたわぁ!やっぱタバコも酒もうまいなぁっ!」
背を伸ばしながら俺。

「お前には休肝日必要だから、丁度よかったべ!それと…ケイタはもぉ少し喧嘩強くなんねーと、いざって時にまりえ守れねーぞ!」

「喧嘩はもぉいいってぇ…。痛ぇだけだし…。」

「まぁなぁ…。そう言えば、話変わっけど伊豆旅行近くなってきたなぁ!」

「今日の夜俺のアパートで会議だなっ!」

「おぅっ!!楽しみになってきたわっ!」


============





伊豆旅行当日。


那須の時と同様、ハイエースを借りて伊豆へ出発。


出発して6時間、伊豆へ到着した俺たちだったが…。

なぜか、カズサと康太の言動や雰囲気が、腑(ふ)に落ちない俺。

車内では、カズサから積極的に康太へボディタッチ…。
パーキングエリアでも康太から離れないカズサ。

運転しながらバッグミラー越しに、2人の関係性に首をかしげる俺。



無事ホテルに到着。


「あっーーっ!疲れたっ!やっぱさすがに伊豆は遠いなぁっ!」

「ケイタ!運転ご苦労様!」
とまりえ。

「これから、ぶっ飛ぶぐらいの景色見れるんだろっ!?しかも、温泉も料理も楽しみだし、疲れも飛ぶだろって!」



弓なりに続く海岸線沿い、目の前の防風林を挟んで15階建てのホテルが佇(たたず)む。


エレベーターはスケルトンで、夕日が波に反射する度キラキラと輝き、俺たち6人の顔を赤く染める。


夕食。

「さぁて!飲むぞー!食うぞー!」
今にも走り出しそうな勢いの健三。

「かんぱーいっ!」
大きな声で乾杯コールをする康太。

「めっちゃおいしそぉっ!あたし、日本酒飲もっかな!」
レミはいつもは飲まない日本酒に手を出している。

「すいませんっ!生ビール2つ!泡なしとかできますか!?」
カズサは既にジョッキ2杯を開けていた。

「ねぇっ!レミもカズサもだいじょーぶ?そんなに飛ばして…?」
2人を気遣うまりえ。

「だいじょーぶ!だいじょーぶ!まりえも飲んじゃいなよっ!すいません!ハイボール1つ!」
俺も飲むスピードが徐々に上がる。



結局、レミとカズサは飲み放題が終了する頃には泥酔状態。

「ねぇ…。レミもカズサもだいじょーぶ?だから言ってたのに!ほらっ!ちゃんと歩いて!」
まりえはカズサとレミの介護担当だ。


それを見ながら呆れる男3人。

「カズサ…お前飲み過ぎだよ…。」
特に呆れている康太。

「飲み足りないなら、下の居酒屋で飲んできなよっ!私、この2人診てるからっ!」
とまりえ。

「えっ!いーの?」

「たまには男3人で飲んできなよ!」



男3人で一階に併設してあった居酒屋で飲み直す。


小一時間ほど経ったか、明日の観光について相談する3人。



俺の携帯にまりえから突然連絡が入る。

「カズサが…カズサがいないの!!私、自販機行ってる間に居なくなっちゃったみたいで…カズサ相当酔ってたし心配だよ!」

「はぁっ!?まじで!!まーためんどくせぇ事になりそぉだな…。」

電話きると同時に、健三と康太に電話の内容を伝える俺。

すると突然、康太が立ち上がる。

「俺ちょっと探してくるわっ!」

康太の表情は緊迫した様子だった。

「あいつ…どぉした…?急に。」
俺と健三は顔を見合わせ、同時に首をかしげる。


康太はホテル中を探し回ったようだ。

俺と健三も仕方なく一階周辺を探し始める。

「あいつ…飲み過ぎるといつもこうなるんだもなぁ…。」
ため息をつきながら健三。

「まーたその辺で油売ってんだろ…。」



すると、康太がエレベーターから降り、まっすぐサービスカウンターへ走る。

「すいません!数分前に浴衣着た、このぐらいの女の子外出て行きませんでしたか?」
身振り手振り説明する康太。

「あっ!10分ぐらい前に、髪の長い女性が出ていったかもしれません!」

「そぉっすか!!ありがとぉっす!」

康太はその情報を得るなりエントランスから走りだす。


俺と健三も後を追いかけた。


遠くから、康太がカズサを呼ぶ声が聞こえるが、その声は徐々に小さくなっていく。

「なっ!?健三!一回戻るべ!もぉ帰ってるかもだし…。」

「そぉだなぁ…。俺らが迷子になりそぉだも。」

俺と健三はホテルへ戻ったが、依然カズサの姿は無い。



防風林内。

「おーーぃっ!カズサーーっ!」
康太は焦りつつ、携帯の光一つを手掛かりにカズサを探す。



「おーーぃっ!カズサーーっ!」










「あっ!康太!」


「おいっ!カズサっ!!お前はなんで1人で行動すんだよ!心配かけんなって!!」

「ごめん…。酔いすぎて、風に少しあたろうと思ってさぁ…そしたら足くじいちゃって…。」
浜辺のベンチに座りながらカズサ。

「まったくっ!!背中乗れよ!!ほらっ!!」
舌を散りながら康太。

「ぅん…。ありがとぉ…。」





15分後、康太はカズサを背負いながらホテルに戻ってきた。


その後カズサは、5人から説教を受けたのは言うまでもない。





次の朝。


「昨日カズサのせいでうまく酔えなかったなぁ…。」
と苦笑いの健三。

「あいつはトラブルメーカーだからなっ!さぁて!リッチな朝飯食って観光でもすんべよ!」






湘南海岸。


カズサは昨日の足の挫きもなんのそのはしゃぎ回る。


海辺で、謙三が口を開く。

「なぁーケイター?カズサの昨日の怪我はどぉなってんの?あいつ何でも無かったかのように走ってるけど…。」

「あー?知んねー?」

と、俺は即答。

「まりえは?」

「私も分かんないけど、まぁー、いーんじゃないっ!楽しそうだしっ!」


「まぁー!そーだなぁ!」

口を揃えて、俺と謙三。

「なぁーケイター?俺生ビール飲んでもいーかぁー?」

「つーか、よく昼間から飲めるよなぁー!」







少し季節外れの海で6人。カズサとレミは、張り切ってビキニだ。まりえは焼けるし、恥ずかしいからって短パンとティシャツ姿だった。

まりえは、泳ぐのが不得意だったっけ…。いや、金槌だった気もする。


「まりえー?海入んないのぉー?」

「私はいーやぁー。寒いしっ!」

「俺も寒いしやめとくわ!あっ!砂山でも作ろっ!」



まりえと砂山を作って遊んだ。子供にでも戻ったかのように2人は山を積み上げる。

「ねぇねぇ!ケイタ?この棒を倒したほうが負けねっ!」

「よしっ!のったぁ!負けた方は罰ゲームだからなぁ!砂埋めの罰ゲーム!!」

「いいよぉ〜!絶対負けないから!」
とびっきりの笑顔のまりえ。


「あー!倒したぁ!ケイタの負けぇ!罰ゲーム決定っ!!」

「まーぢかぁ!今のズルじゃねぇ?絶対!ズルだからっ!」

「ケイタ!男は正々堂々と、負けを認めるの!」

「はい、はい!わかりましたよっ!」


謙三とレミは、海に入ってじゃれあい、カズサは依然として康太の後ろを追いかけ続ける。



潮の匂いが夏の思い出として、俺たちの心に焼き付いた。



カズサは何をするにも康太だけを誘い出す。

「ねぇー康太!浮き輪借りてこよーよ!それからさぁ!ホットスナックも食べたい!」




あからさますぎないか…。
確かに始めて喫煙所で会った時にも、
「かっけぇ!まぢでかっこよすぎるんですけど!」
と、おどけていたが…?

これが女の子の、恋のスイッチが入ったら止まらないという現象なのかもしれない。

やはり、あの事件後から始まった恋なのか…。

カズサは恋多き少女に見えた。


夕暮れ、湘南周辺、俺が運転する車内。

助手席に座るまりえの顔に夕陽があたって、いつもより色っぽく見えた。

「ほらっ!ケイタ前ちゃんと見て!信号青だよ!全く!」

「あっ!ぅん。わりぃ。」と俺。

すかさず、後部座席に座ってた健三が、
「おっ!新婚さんの車内喧嘩!よっ!初喧嘩じゃねーのぉ?『前みな!』だってさぁ!」

「謙三君!あんまりからかうと、ここで降ろしてくかんねぇ!」

とまりえ。

そんな会話も1時間ぐらいだったろうか、はしゃぎ過ぎた後部座席組は、高速に乗る前に睡魔に負ける。

「なぁ、まりえ?楽しかったなぁー!今度は2人で来たいなぁ!なーんか、楽しい事は、やたらと早く過ぎるけど…。旅行は帰るまでが旅行!ってかぁー。」

「ねぇ!それって遠足は、家に帰るまでが遠足じゃないのぉ?」

と、まりえは大笑い。


「ぅん。何かケイタとの思い出が一つ増えたような気がして、よかったなぁ…。そぉだ!帰ったらカメラ現像しないとね。アルバムでも作ろうっかなぁ!」

「おー!!いいね!伊豆旅行の写真ってまとめてさぁー!まりえ豆そうだから、沢山アルバムできそうだなぁ!」

「ぅんっ!帰ったら張り切るんだからっ!」
とそっと笑った。

パーキングエリア。
外でタバコを吸ってると、3列目のカズサと康太が、そっと手をつなぎ、片を寄せ合いながら寝ていた。




やっぱりこいつら…。




(あっちに帰ったら、新カップルでもできそうだな…。)
心の中で呟く俺だった。


運転席に戻ると、まりえも眠っていた。
寝顔が愛おしくて、唇から少し見える八重歯が、可愛いらしかった。

宇都宮に入る頃、まりえが起床する。

「あっ!ケイタ?ごめんね。私、いつの間にか寝ちゃった。」

「うーうん。だいじょぶ!あっ!寝顔携帯で写メったから!」
悪巧みを考える様に俺。

「ケイタ!それ、早く消して!」
と、運転席側まで身を乗り出すまりえ。

「あっぶねぇ!事故っから!だいたいまりえの寝顔は、いつも見てるでしょーがぁ!」

「まぁ、そうだけど…それとこれとは違う!」

恋人同士のどこにでもある普通のやり取りなのだが、小さくて幸せな思い出が次々と積み重なっていく。

あの瞬間に戻れる術(すべ)があるのなら、一度だけでもいい…一度だけ戻りたい……。







月曜日、カフェ一階。


いつものように、カフェで6人。



カズサと、康太は依然友達の様だ。






喫煙所。


「おつかれー!」

「おっ!おつかれぇー!伊豆楽しかったなぁ!」

「つーかよ…少し聞き辛いんだけど、俺見ちゃったからさぁ……。伊豆の帰りの車内…。」

と神妙な趣で俺。

「やっぱ言うーと思ったわぁ!いやー!俺も気づいたら手を握ってて…ほんと何でもねぇから!」

と誤魔化す康太。



すると、そこにカズサ登場。







「なーにぃ?内緒話?2人で…。」

「いやいや!伊豆楽しかったねって話だよ!」

康太は、何もなかったかのように、話を飛ばした。

(さすが!康太!)
と、心の中で…


カズサは場所を考えずに、突然思いもつかない様な言葉を発する。



「ねぇ?康太?今日の夜空いてる?」

とカズサ。

「いや、何もねーとは思うけど。なんでぇ?」

「フラワーに飲み行かない?」

俺は空気を察した。

長いタバコを無理矢理揉み消し、何か思いついたかの様にカフェへ戻る。


カズサと康太は、その夜フラワーに行ったようだった。


そして…。


その夜……。






「なぁー!まりえー?俺今日喫煙所で、ちょっと面白い話聞いたんだけどぉ…。」

「えっ!?なにっ!なにっ!」

「カズサが康太を、なぜか単独で飲み誘ってたぁー。」

「えっ!?ほんとぉっ!?ねぇー?それ康太君行ったのぉー?」

「たぶん…。」


そんな噂をまりえと話してると…。






ピーンポーン!







まりえがのぞき穴から確認し玄関ドアを開ける。




そこには……。





大泣きするカズサが立っていた。





「まりえぇ………。私振られた…………。」




鼻水をすすりながら、ゆっくり言葉を絞り出すカズサ。



「とりあえず入りなよ。外寒いでしょ?」

と、まりえ。

まりえは、カズサの判断が付きにくい言葉を一から丁寧に聞いている。

言葉の端々に濁点が付いてるかのよーな言葉を。

俺は冷蔵庫から缶ビールを出して、カズサの前に無言で置いた。

鼻水をすすりながら、カズサは缶ビールを開けて、グッと飲み干した。

「まりえありがと。わたし、少し楽になったよぉ…。私、康太のことがいつの間にか、好きになってた…。あの事件の時から……。伊豆旅行中も、ずっと隣に居たし、一緒にいればいる程、好きになっていった。でもねぇ…。ただそれが恐くて。この関係が崩れるのが恐くて……。好きになればなるほど、臆病になって。ただ、早くこの気持ち伝えないと、更にハマり混むと思ってさぁ。ただ、康太には、今好きな人がいるみたいでさぁ…。」


「えーぇぇー……!そぉだったんだぁ…。好きな人って誰なのっ?カズサも知ってるのぉ?」

とまりえ。

カズサがしばらく置いて、













「レミ……。」


プッーッ!!!

俺は飲んでたビールを吹き出した。

(オイオイ…まぢかよ。健三だぞ。いや、未だ健三のものではないが、これは大変な事になりそうだ……。グループ内で、三角関係、トライアングルだぞ。健三が聞いたらなんていうか。)


俺は、口にできない言葉を、こころの中で呟き続けた。

「えぇ!!!レミ……!?えっ!でもさぁ!レミは今どんな感じなのぉ!?」

と、冷静過ぎる言葉を返すまりえ。


(いや、マズイだろ…。健三とレミはカップル同然だし、これ以上話を煽(あお)らない方が……。)


また、心の中で呟く俺。

「でも、それはそーだとしてもさぁ!カズサ応援できるの?」

とまりえ。

(言っちゃった…。)

再び心の中で。


「ぅん。心の中で整理ついたら。応援できそぅ。」
とカズサ。




カズサは、まりえに伝えたい事を片っ端から並べ、スッキリしたような表情でアパートを去る。

「じゃーねぇー。まりえ、ありがとっ!つーか、ケイタは落ち込んでる女の子にビール飲ませんなしっ!」


俺はカッとなったけど、まりえが右肘を抑えたから、我慢できた。

コラム10 マイ・エネルギースポット〜歩く・触れる・感じる〜

ブログサイトに浮気した様な感じに取られても仕方ないですが……
ただ少しでも高みを目指したい、更に多くの読者に読んで頂きたい、その想いの中このサイトでも連載を決めました。


怪しいブログサイトではないので暇な時間に立ち寄って下さい!
宜しくお願いします!

STORY⑨ 復讐、狙われた俺たち

STORY⑨ 復讐、狙われた俺たち




フラワーでのバイトも約一ヶ月程経ったか…。


康太の弁償代を6人全員で分割し、例の「焼き鳥屋」に返済する日を迎えた。


俺のアパートの一室。


康太を除く5人は既に集合していた。


「なぁ…?全部で80,000円だよなぁ?」

「康太も入れて、6人で割るとすると…。あーーっ!!細かい計算できねぇっ!!まりえ電卓!」

「はいっ!はいっ!えっーと!13,333円だね。でも割り切れないっ!!!」

「じゃぁ…一人14,000でいいでしょー!文句ないでしょっ?」
と、レミ。

「文句なーしっ!!余ったら、それで酒買えばいいんだからっ!」
と、カズサ。






ピーンポーン!



「わりぃ…。遅くなったわっ!ゼミの教授に足止めくらってよ!これから飲むんだべ?」



神妙な趣でテーブルを囲む俺たちを見た康太は、雰囲気を飲み込むのに少し時間がかかった。

「えっ…?みんなどした?俺なんかやったっけ?」



テーブルの真ん中にある封筒を康太に渡し、口火をきる俺。

「康太よ……。前から言ってたけど…これよ……俺らからの気持ちだ!これで謝ってこいよ…。これで全て一件落着だべや!康太は俺らの仲間だから!何も言わねーで受けとってくれよなっ!」


俺の言葉を皮切りに、それぞれの思いを康太に託していく。

「康太……。俺もあの喧嘩で店に迷惑かけたんだ…。今から一緒に頭下げに行くべよっ!それが終わってから飲み開始だっ!」
と少し笑みを浮かべながら健三。

「康太っ!これからは、あんなバッカみたいな輩(やから)と喧嘩しないでよね!あんなの相手する暇あるんなら、このアパートとか、フラワーであたし達と飲んでた方が楽しいでしょ?」
とレミ。

「ほんっとだよっ!皆の思いをこれからも裏切らないでよっ!みんなで伊豆旅行行くんだからっ!」
とまりえ。

「チャッチャと謝ってきてよね!私、早く飲みたいんだから!」
と、照れ臭さを隠せないカズサ。






「まぢで………。」

言葉に詰まる康太。


フローリングに膝を落とし、両手を膝につく康太。震える右手には鷲掴みにした封筒。




黙って頭をさげた康太。



絨毯(じゅうたん)にはポツポツと涙が落ちる。


「み…み………みんな、ほんとぉにありがとなぁ!!」


なかなか康太は頭をあげる事ができない。

すると健三が、座り込む康太の肩を抱き上げ、
「ほらっっ!!さっさと頭下げてくんべよっ!!頭下げるぐらい朝飯前だべよっ!!」

「でも……。」

「みんなの思い無駄にすんなって!ほらっっ!!行くぞっ!!」

「ぉ、ぉ、ぉぅ…。みんな…。ぉ、俺!行ってくるよ…。」



「ちゃーんと頭下げてくんだぞ!」

「気をつけてねっ!」


みんなからエールを貰った康太は、健三に支えられ謝罪に向かったっけ…。




康太と健三が出かけたあと、俺は車に財布を忘れたのもあって、アパートから出て駐車場に向った。


すると、普段停まっていない黒塗りのワンボックスカーが、俺の行動を注視するかの様にゆっくりと走り去った。


「なんだあの車…?」






========



次の日、二限が終わる昼前。

カフェ一階喫煙所。

健三と俺は相変わらず、講義を抜け出しタバコを吹かしていた。


「あぁー…。昨日も飲み過ぎたなぁ…。ケイタお前、まりえに怒られなかったかぁ?」
と健三。


「昨日はそうでもなかったなぁ…寝るの遅かったから、朝はきつかったけどなぁ。」

「お前のアパートは、いつもそーいう運命だかんなぁ!」

「お前!ふざけんなよって!俺のアパートが、いっつもパーティ会場だから、こーいう事になんだって!」


二人苦笑いで、缶コーヒーを握りしめる。


すると…。

「昨日はまぢでありがとなぁ…。」

「おぉっ!!康太!重役出勤だなっ!てかっ!昨日お前何回リバースした!?」
と笑い転げる健三。

「わかんねー…。途中から記憶ねーも…。けどよっ!!やっぱ!お前ら半端ねーよ!人生であんなに泣いたの、じいちゃん死んだ時ぐらいだも…まぢで感謝してるよ!」

「じいちゃんかよっ!!もぉ少し例え方あんだろーよ!てかっ!よく大学来れたなっ!今日一日グロッキーかなって思ったけど…。」
と大笑いする俺。


すると康太は突然真面目な顔つきに豹変(ひょうへん)する。

「ケイタよ…。そんな笑ってられねーかもだぞ…。この前俺らが喧嘩した奴ら、あの後から俺らを嗅ぎまわってんだとよ…。どこから情報得たんだか分からないけど、今日の朝警察から、気をつけるようにって電話きたんだわ…。午前中講義ないからゆっくり寝てようと思ったのに、無駄に早い時間から電話で起こされてよ!」


俺は耳を疑った。

「はっ!?それまぢで言ってんの!?そういえばよ……。昨日の夜駐車場にワンボックスカー止まっていたのもそれなのかぁ…?」


「まぁ〜チョッカイ出してきたらタイマンで決着つければいいべっ!」
と、拳(こぶし)を合わせて節を抜く健三。

「健三!お前はバカかっ!今回無事に事が収まったのに…まーた喧嘩したら…先は見えてんべ!しかも、あいつらただのチンピラじゃねーような気がすんだ!」
と俺。

「それは俺も同感だな!あいつらの拳(こぶし)一番受けたの俺だし!嫌な予感ばっかり頭に浮かんでよ!まぁ…俺らしばらくは身の安全に気をつけねーとだ!それと、俺らに関係する女!カズサとかレミ、まりえに気をかけてやんねーとなぁ…。」
と康太。

「んだなぁ…。あんまり、笑えねぇなぁ…。」









大学の帰り道、車内。

「今日な…康太が言ってたんだけど…。」
まりえに、昼間康太から聞いた事を全て伝えた。

「……、だからさぁ!まりえも気をつけろよぉ!」

「なんか……怖いねぇ…。私はケイタがいるから大丈夫だけど、レミとカズサ大丈夫かな?一人暮らしだし…。それに健三君、レミといくら仲良いって言っても、そんな毎時間は一緒にいないでしょ?」

「まぁなぁ〜…。なんかの勘違いで終わればいいんだけど…。」

「一応、レミとカズサにメール入れてみるよ!」

「うん。」









午後22時。








心配していた事が、徐々に現実味を帯びてくる。

「ねぇ!ケイタ!二人から返ってこないんだけど…。大丈夫かな?」

「んー…。そーだなぁ〜。時間も結構経ってるしなぁ!あっ!健三と康太に電話いれてみっかぁ?」


健三はすぐに俺からの電話に応答してくれた。

「もしもーしっ!健三!今どこにいんだぁ………。」

健三もレミに、昼間の話を細かく伝えていたようだ。

俺と健三が携帯で話していると、まりえが……。

「あっ!レミからだ!レミからメール!」


健三との電話を切ったばかりの俺。

「なんだってぇ!?」

「バイトだったから出れなかったみたいだけど…。これから健三君に迎え来てもらうみたい。でも…それにしても……カズサから返ってこないよ…。カズサは今日バイトじゃないし!昼間言ってたんだぁ!」

「まぢかぁ〜!?レミは良かったけど…。でも…カズサに関しては、もぉ少し待ってみんべよ!もしかすると、どっかで飲んでる可能性もあるしよ…。あいついつもそぉだしよっ!」


「ぅん……。でも心配だよ…。」


「あっ!康太から電話だ……。」


「もしもーし!康太!カズサと連絡取れっかぁ?」


康太の声は緊迫した声色だった。

「いやっ!それが連絡取れねーだっ!今バイクで思い当たる場所探してんだけど!」

「お前今どこいんだよ!?」


康太と電話を切ると同時に、近くのローソンで落ち合う為、咄嗟に車を走らせる。


「ねぇー!?カズサ心配だよ!余計な心配で終わればいーんだけど…。」助手席で携帯を強く握るまりえ。


ローソンに到着し、康太の姿を探すが、康太のバイクすら見当たらない。


車を走らせ、すかさず康太に電話を入れる。



4コール程で、電話に応答した康太。

「康太っ!ローソンに居ねーべ!?どこ向かっただっ?」

「ケイタ!場所移してわりぃなぁ!?今フラワーに来たんだけど!駐車場の垣根のとこで、カズサのバッグ見つけただっ!!」


「まぢかっ!!今近いところにいるから、すぐ行くわっ!2、3分だからっ!康太ぜってぇ!そこにいろよっ!!なぁっ!!」


康太との電話を切り、フラワーに直行する俺とまりえ。


「おぉっ!康太!待ってたかぁ!」

「さっきはわりぃなぁ!いきなり思いたってよっ!俺、バイクだから運転中電話するの無理だったからよぉ!」

「まぁー!しゃーねぇ!とりあえずよ!マスターだっ!」

フラワーに到着し、数秒の会話の後、フラワーのマスターに慌てて顔を出した。

「マスターっ!!」

息をあげる俺。


「あらっ!ケイタ君!いらっしゃいっ!!今日はバイトお願いしていないけど……。あっ…?待ち合わせだったの?カズサちゃんは一時間前ぐらいかなぁ…帰ったわよ!」

「えっ!?誰かと一緒っすか?」

「うーうん。今日は一人飲みだ!って、一時間ぐらい飲んで、酔い覚ましに歩いて帰るって言ってたわよ!」


俺は康太と顔を合わせる。

「まぢかっ!?」


「康太!そのバッグ貸してくれ!」

俺は、康太が抱えていたカズサのバッグを貪(むさぼ)る。

「カズサの携帯だ!!これっ!そーだよっ!!あらっ!?もう1台見当たんねぇっ!!!この携帯、セカンドの携帯だ!!!」


カズサは携帯を2台持っていたのだが、大学で主に使っている1台が見当たらない。


他に手がかりがないかと、財布や、化粧ポーチを次から次に放り出す俺。


もう一つの携帯は結局見つからなかった。

「くそっ!あいつどこに行ったんだよ…。」

しばらく考え込み、思い出したかのように、バッグ内に残っていた携帯を開く俺。


奇跡的に、開いた画面がメモ機能のままで残っていた。



















「たさかてしようすいせんた」



「おいっ!康太!これっ!これ見てみろっ!!!!」

「なんだこれっ!なんかの打ち間違えかぁ?」

「ねぇ!!貸してっ!」



まりえは俺から携帯取り上げ、

「『たさかて』って、助けてって打とうとしたんじゃない?それに、『しようすいせんた』って、『浄水センター』じゃないの!?」



「まりえっ!!頭良くねぇ!?」

関心する俺だったが、まりえの解読を聞いた康太は、すかさずバイクにまたがり浄水センターへ向った。



まりえは助手席に乗るなり警察署へ電話をいれ事細かく事情を伝える。

俺はしっかりハンドルを握りしめ現場へと急行した。



「これっ!ほんとだったら、まぢでやべぇなぁ!」

「ほんっとだよ!!!カズサ無事だよねっ!?絶対無事だよね?!でも!ケイタ!焦って事故起こしても元も子もないから慎重にねっ!でも!急いでっ!!!」

「おぉっ!分かってるよっ!絶対!カズサは大丈夫だってっ!!警察にも連絡したんだし、なんとかなるって!」


10分程で浄水センターに着いた。



康太のバイクとヘルメットが無造作に転がった薄暗い門の前。



康太のヘルメットを拾いあげ、転がったバイクを見つめながら、
「おぃっ!康太!お前なんで一人で乗り込むんだよっ!」

小さく怒りを叫ぶ俺。



俺の独り言に、まりえは涙を混じえながら敏感に反応する。

「ケイタ!!警察が来るまで待ってよーよっ!!!お願いだからっ!!」

「まりえっ!!!康太とカズサが
まぢで危ねーかもなんだって!」

「ケイタが行ったって何もならないかもじゃんっ!!どぉすんの!?ケイタも巻き添えくらったらっ!」

俺の左肩を精一杯掴みながら制御するまりえ。






遠くから、徐々に大きくなる車のマフラー音。




「あっっっ!この音……このマフラー音ってよぉ!」

「健三くん…?」
と、まりえ。


数十秒後。



「おぃっ!わりぃなぁっ!遅れて!さっきよ!康太から電話きてよっ!あいつらどこだぁ!?」

「ふざけんじゃねーよっ!お前もっと早く来いよっ!おまわりも全然来る気配ねぇしっ!サイレンも聞こえねーべやっ!!」


まりえに俺の車を運転させ、レミとまりえを現場から遠ざけさせた。


まりえとレミが去った事を確認し、健三と俺は浄水センター内に入り込む。


「っちぃっ!康太はどっちにいったんだよっ!?」
と健三。

「そんなの分かるわけねーだろっ!」



数分、健三と俺で敷地内を探し回る。





「おぃっ!ケイタっ!あの光!!」

「行ってみんべ!お前っ!まぢで静かになぁっ!」
声を押し殺し、健三に注意喚起する俺。



窓から室内を覗く二人。



「おぃっ!あれっ!右っ側!カズサじゃねーかぁー?」

「はぁっ!?どこだよっ!?」

カズサは手を縛られ、床に転がっていた。

「柱の横のっ!柱に3って書いてある柱のとこだって!!」

「俺っ!視力悪くてよっ!」

「お前は肝心なとこでだもなぁ……。どぉするよっ!?」



カズサをどう助け出そうか考えていた。


その数秒後だった。












ドスッ!!!!!!!!!!!!!





鈍い音。



一瞬の出来事だった。



後ろを見ると、健三が地面に横たわっていた。

「おいっ!健三っ!!どぉしたっ!大丈夫かぁっ!!!!」

健三に懸命に声をかける。








上をゆっくり見上げる……。

「よぉーっ!!お前久しぶりだなぁっ!俺んとこ覚えてるかぁー?」

金属バットを、自分の右肩に叩きつけながら大柄の男が立っていた。

「あっーー?誰だおめぇ!?」
俺は鬼の形相で、声を発した奴の面(つら)を確かめる。




「お前もぉ忘れたのか!?」




「………。だ、誰っ…?」

言葉に詰まった俺だったが…。

「えっ!?誰でしたっけ?笑」

その男の顔を見つめ、その様相に少し笑いもこみ上げる中、できるだけ今まで関わってきた変な男の顔を思い出す。

頭から血を流しながら健三が、

「ケイタ…。そいつ…そいつだ!!俺らに手だしたのっ!!居酒屋で手を出した奴らだっ!お前逃げろっ!!こいつら半端ねーぞっ!お前絶対殺されっからっ!!まぢで!逃げろっ!!」


「はぁっ!!?こいつがっ……?!笑。風貌(ふうぼう)変わってっからよっ!全く分かんなかったわぁ!笑。」



「まぁ〜。俺もあの時から髪の毛伸びたからなぁ!あっ!そーだ!お前さぁーっ!ケイタって言ったよな!?お前に報告だっ!さっきお前の女の…?んー………?まりこ?まり…?ま……。その女とレミだかなんだか、古臭い名前の女、拉致っといたからよっ!あとはオメェらを潰すだけなんだよなぁ!!それか…なんなら逃げてもいいんだぞ!!」



一瞬固まる俺だったが……。



ゆっくりと、重さの聞いた口調に、徐々に覇気も加えられた大声を発する俺。


「人の女の名前語るんなら、しっかり覚えとけっっ!!このバカヤロウがっ!!オメェ!どこに拉致ったんだよっ!?このドレッドヘアデブ!!それとオメェよ!!俺の女を拉致る前によ!しっかり名前ぐれぇ覚えとけっっっ!!まりえって名前なんだよっ!世界一大好きで大切な女なんだよっ!!そんな大好きな女守れねーで男やってられねーし、こんな場面で逃げられねーよ!こんなアンパンマンみたい茶番劇やってる暇なんてねーんだって!!」

「うるせぇなぁ!グダグダのろけ話ばっかりよぉっ!!!!その前に、どこに拉致るとか言うわけねぇだろーがぁっ!俺らは俺らで、大学の女を拉致って、あとからゆっくり楽しむんだわっ!」

目を引きつりながら下手くそに笑うドレッドヘアの男。


「ちっと!やりすぎじゃねーかぁっ!!俺……笑いを混ぜて会話してたつもりだけどよ…やり方が全然気に食わねぇなぁ!!あっー!?テメェ!!一人の女も幸せにした事ねーんだろーな!!このドレッドヘアデブ!!一人の女を幸せにしてから喧嘩に来いよっ!!」


俺は拳(こぶし)を握りしめ、その男に殴りかかった。









しかし…。




数秒後。


俺は青々とした草っ原に、数発でひれ伏した。


俺の前髪をグッと掴みあげたドレッドヘアの男。



「なぁー!お前よー!勢いだけで喧嘩は強くなれねーんだよっ!!!!俺はなぁ〜!愛する女なんていらねーんだよっ!一晩を越す女がいればいーんだよっ!!!なぁ!?覚えとけっっっ!!この世間知らずのクソガキがっっっ!トドメ食らわしてやっからよっ!天国で、まりえだか、まりこだか、そんな風な名前の彼女と仲良くしとけよなぁ!あっ…!ごめんなぁ……名前間違えた……。まりえちゃんだっけかぁ??このっ!バーカ!クタバレッ!!!古臭い名前のレミ、カズサみんなまとめて可愛がってやるよっ!」



ドスッ!ドスッ!



「ん”っぁあっ””””」

いとも簡単にとどめをくらわされた俺。



「こいつら…大した事ねー奴だって!!おまわり来る前に退散だな!さぁて!お前の女も、レミ?カズサだっけ…?ラブホにでも招待しますか……。」

両手の汚(けが)れを落とすように手をはたくドレッドヘア。



ドレッドヘアの足元に、屈していた俺。

(もう!どうにでもなれっ!まりえたちが助かれば…警察に届けば…)



ボコボコの俺はドレッドヘアの足首を余ってる力で思いっきり掴み、こう叫んだ!



「”だ・が・ら!!!俺の女はっ!!まりえって言ってんだろぉっ!!!名前を間違えんなっーーーー!!!!!!!!!!!!!!”」





まりえ、レミ、カズサの安否を心配しながらも、痛みと不安で意識が途絶えそうだった。



動こうとしても、身動きがどうしても取れない。


しかし、ドレッドヘアは、勢いを緩めない。

「なんだお前っ!?お前気持ちわりぃなぁ!?いつまでも言ってろっ!!心配しなくてもよぉ!残りは、あいつ一人だからよっ!」


「おいっ!健三っ!お前逃げろって!」
と、絞りきった声を健三にかける俺。


健三の前に立ちふさがるドレッドヘアの男。
「さっき思いっきりバットで殴ったからねぇー!もぉ立てないでしょー?まずはこいつの息の根、止めてあげようか!」

今にも振り下ろしそうなバットを右手に、狂ったようなドレッドヘアの男。





「コノヤローッ!!!」
バットを振り下ろそうとした瞬間だった。


「ケンゾーーーーーっ!!」

ありったけの声を絞り叫ぶ俺。








「こるぁっぁ!!!好き勝手やってんじゃねーぞっ!!!このヤロウっ!!」



そのイカれたドレッドヘアの男は一瞬にして地面に横たわった。



流血で視界がはっきりしない俺。

右手で目の辺りの流血を拭い、目を凝らして辺りを見渡す。



「ケイタっ!!!!お前大丈夫かよっ!?カズサはもぉ助けだしたからよっ!まりえもレミも、おまわりが逃走経路探って確保したから心配ねぇっ!」

流血を拭った先には……。


康太だ。




「マヂかよぉ!!ほんと泣きそうなぐらい焦ったって!!わりぃ…康太!そのドレッドヘア、これ以上動かねーようにしてくれっ!!そいつキチガイ過ぎるっ!」









ドレッドヘア男の胸にまたがり、胸ぐらを掴む康太。

「オラッッ!!テメェ!!俺の目を見てみろっ!!あの後から、俺がテメェらに何したっ!俺の仲間が何したっ!?これ以上俺の仲間に、指一本でも手を触れたら、テメェのこと殺すからなぁっ!!!!テメェ!!覚えとけっっ!!テメェの仲間も全部片付けたからよっ!あとは塀の中で首でも洗って待ってろっ!!あっっ!?分かったのか!?このクソヤロウ!!俺の仲間を少しでも傷つけてみろ!俺は地獄の果てまで追っかけるからなっ!!」

そう言い終わると康太は、ドレッドヘアの胸ぐらを離して、思いきり地面に叩きつけた。




後方から警察官。



「おいっ!いたぞっ!!大丈夫かぁっっ!!」




俺の近くに横たわっていた健三。
「おせーよぉ…。しっかり住民を守ってくれよなっ!お巡りさんよっ!康太も変な勘違いされねーといーけどなぁ…。あいつ…この前、事が収まったばっかりなのによ……。」


俺も横たわりながら、
「そぉだなぁっ!もぉ痛い思いしたくねーよっ!康太の最後の言動は黙っとくべやっ!あいつやっぱ喧嘩だけは強いわなぁ!酒は弱いくせによ!」
と苦笑いの俺。



健三は、救急隊が到着すると同時に気を失ってしまった。




「カズサ!!お前わっ!何で知らねーバカに着いてくんだよっ!」
と康太。


「違うって!フラワー出て歩っていたら、そのままワゴン車に乗せられたんだって…。私だって女の子だかんねっ…!」


「まぁ〜無事だったからいいけど、ほんっと危なかったんだからよっ!」


「分かってるぅ………。でも……私だって怖かったんだもぉ……。」

大声で泣き出す声と同時に、康太に抱きつくカズサ。

後ろから、無事保護されたレミとまりえが警察車両で到着。


カズサに抱きつくレミ。


俺の胸元に顔を寄せるまりえ。


その後、俺と健三は病院に転送され、4時間ほど眠りに落ちたようだ。

2016春の選抜高校野球・組合せ決定!

『2016春の選抜高校野球』組合せ決定!!

今年も、とうとうこの季節がやってきました!
高校野球ファンの私としては、夏の甲子園の一季節前に開催される『春・選抜高校野球』が楽しみで仕方ないのです!

『春・夏連覇』という言葉からも表される様に、春を制した高校は、夏の甲子園制覇に一番近い高校だとも言えます!そして各代表校の、春の時点での戦力分析ができる上に、夏の甲子園出場をも予想できるのだ。

そこで各高校の、走攻守力の分析をトーナメント表を用い、Best8進出高校を予想してみよう!というのが今回のコラムです。

まずは!全トーナメント表です!

左上をAブロック、左下をBブロック、右上をCブロック、右下をDブロックと設定します!
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Aブロック
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常総学院vs鹿児島実業
どちらも、常連校、実力は間違いないが、1回戦からは勿体無いカード。

実は私、昨年夏の甲子園の優勝校を「鹿児島実業」と予想してしまい、大恥をかいた覚えがあります。

『釜石高校vs小豆島高校』
共に、21世紀枠選出・県立高校。釜石は復興の勢いに乗って、ぜひ1回戦突破して欲しいですね!
準々決勝勝ち抜け予想高校は、常総学院桐生第一かな?と私は思います。
智弁学園も面白いですが…。

Bブロック
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明徳義塾』vs『龍谷大平安
これも高カード!最近明徳義塾がBest8まで上がってこないので、今大会は頑張って欲しいですね!
ちなみに、「龍谷大平安」は、一昨年の春の選抜優勝校です!
『東邦』vs『関東第一』
今年ドラフト1位で、「楽天」入りを果たした「オコエ瑠偉」が抜けた『関東第一』の戦力は落ちていないか…?
『東邦』も古豪ですから、いい勝負を期待します!

下馬表的に、準々決勝勝ち抜けは『八戸学院光星』と『関東第一』ではないでしょうか?

Cブロック
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『土佐』vs『大阪桐蔭
土佐高校は、県立高校ですが大阪桐蔭に対してどこまで粘れるか!
『秀岳館』vs『花咲徳栄
恐らく、花咲が優位ですかね?

木更津総合が台頭しない限り、準々決勝勝ち抜けは、大阪桐蔭花咲徳栄が固いですかね?

Dブロック
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敦賀気比』vs『青森山田
このカードも実力校の潰し合い…。
東北の青森山田を応援したいですね!

しかし、「敦賀気比」は昨年度の春の甲子園優勝校です!つまり、「敦賀気比」は間違いないなく、春の甲子園連覇を狙っているはずです。

東海大甲府』vs『創志学園
東海大甲府ですかね?
長崎『海星』が番狂わせをしなければ、準々決勝勝ち抜けは、『東海大甲府』と『敦賀気比』ですかね?

勿論!県立高校や、21世紀枠選出高校を応援したいのですが、順当に勝ち抜きBest8に顔を並べるのは、この8チームではないかと予想します!
番狂わせも必ず出てくるであろう「春の甲子園」。

Best8勝ち抜け高校。

常総学院桐生第一
八戸学院光星、関東第一
大阪桐蔭花咲徳栄
東海大甲府敦賀気比

皆さんはどう予想しますか?

コラム⑨:『マーケティング』の深い考え方

コラム⑨:『マーケティング』について考えてみる。

一つ前のコラムで、『会津産野菜の魅力』について掲載しましたが、今回「ある出来事」から、「一玉200円の国産ニンニク」を倍の値段で販売するにはどうすればいいか考えた結果「マーケティング」という言葉が浮かんできたのです。

単純な例ですが、200円の国産ニンニクを倍の400円で売った場合、200円の利益がでますよね?しかも、「塵も積もれば山となる」という言葉に表される様に、1000玉売った場合には相当の利益が見込めるのだ。
ただ、この不況真っ直中の日本で、いくら国産や食の安全にこだわったとしても、一玉400円もする国産ニンニクを買う方は一部の階層に限られてくるのではないか。TPPの影響もあり、海外からはより安価な野菜が手に入る上に、ニンニクに関してだけ言えば、スーパーに並ぶ品は国産に比べ激安な中国産。


200円の利益を出す為の方法や戦略を具体的に考えつつ、その書籍から学んだ事を考察していこうと思う。

まず、一概に「マーケティング」という言葉を出されても、意味不明だという方は当然いるだろう…。当の本人、私も、経済学部・商学部出身ではないので軽い知識しかありませんでした。気になる事は、トコトン調べる。という事で2冊程「マーケティング」に関する書籍を購入しました。


「マーケティング」=「調査のプロ・統計学」というイメージがあった私ですが、実際の業務はそれだけにとどまらないようだ。

どのような野菜を、どの位の価格で、どの流通ルートを用い、どう告知して販売するかを総合的に考えていく仕事と記されていた。
ここまでは、私が軽い考えの中思い描いていた業種と合致する。

興味をそそられたのは次からだ。

なんと、新商品の企画・開発の際にはプロジェクトのブレーンとなり、ターゲットとなる消費者の好みや関心・流行などを分析して商品企画担当者に伝えたり、営業担当者と商品の価格や販売エリアを検討したり、効果的な広告方法や販促キャンペーンを企画したりするようだ。

ここでだ。

一玉400円の高級国産ニンニクを売る為にはどうすればいいか再度考えてみる。

まずはターゲットとなる企業・消費者を絞る事にしてみる。

  一つの例であるが。
超高齢社会の中、都心では入居費が何千万もする高齢者施設が増える一方だ。中には、障害や病気を患う前から入居予約をする方もいることはメディアでも有名である。自分の終の住処に多額の費用を投資する方々が「食の安全」や「高級食材を利用した料理」にこだわるのは、たやすく想像がつくと思う。
そこで、無農薬・有機栽培を利用し、丹精込めて栽培された野菜を倍の値段で企業に買ってもらうのだ。

「値段が高ければ美味い」という消費者論理が働くのは当然だが、「商品の魅力」をPRしなければ、一つ400円の馬鹿みたいに高い国産ニンニクを買うだろうか?それは否。

私なら、土壌にこだわったり、栽培方法の公開や、産地にさえもこだわると思う。
私の故郷は雪深い地域なので、冬には農作業は行えない。そこで、季節季節で産地を変えるのだ。冬の時期では九州地方か…?冬季間でも、最上級の味を味わえる食材を探す。つまり、
「季節を追いかけ産地をも追う」=「一番美味しい時期の材料を発掘する」
ということだ。

PRの方法で、もう一つ興味深い案件がある。

一玉400円の国産ニンニクを、大消費地東京の巣鴨で広めるのだ。
巣鴨と言えば、おば様達の流行の発信基地。更に言うなれば、天下の台所「大阪」で実演販売するのだ。
「大阪のおばちゃん」が想像できるのは言わずもがなだ。



二つ例を挙げたが、所詮素人の私が考えた理論で実際はもっと難しくて調べれば調べるほど興味深い事柄だらけだった。
やはり、社会や経済の動向や流行に常にアンテナを張り、膨大なデータを収集し、仮説を立て、検証を粘り強く繰り返していく根気が大切なのだろうと思う。

この様な考え方は、何も野菜などの物産のみに使えるわけではなく、全てのジャンルで応用が効く事柄だと思います。

最近移動時間は、こんな事しか考えていない私のつぶやきでした。

ご静聴ありがとうございました。