携帯小説『金木犀』

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コラム⑧:『東京という街に求める事』

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コラム⑧:『東京という街に求める事』



私は大学から地元福島県会津を離れ栃木県へ出て、8年ほど暮らし、数年前に地元の会津へと戻った。

その中で遊びや仕事で東京や埼玉など都心部へと足を運ぶ事は多かった方だと思う。


仕事柄、今でも月に5回は都心部に足を運ぶ事が常々である。



そんな東京・埼玉などを行き来している私が、『東京で強く感じた、東京でしか出来ない仕事』について少し書いてみようと思ったのが今回のコラムです。



只今、東北新幹線に乗車し、上野に向かう車内です。



まずは『人間の質や生き方・ライフスタイル』という事から書いてみます。



民度』と私は言い表しますが、東京という集合体は、全国津々浦々から東京を目指して集まった人たちで構成されていると思う。

出張に行ってお逢いする方々から、様々な方言を教えてもらえる事は多い。
例えば、出張先の企業で会合時、正式な場であるが故、標準語を用いるが、その後の接待でアルコールが入り夜が更けるにつれて、集合体の構成内容が浮き彫りにされたことがある。

「どこのご出身ですか?面白いイントネーションですね?」

「私、産まれも育ちも青森で…」

「青森はどんな方言を使うのですか?」

という会話を皮切りに、地元話に花が咲くのは毎回の事。

確かに浅草や巣鴨など、いわゆる生粋の江戸っ子の様に、昔から住んでいる人たちもいるが、東京都民のほとんどは東京に古くから生きてきた訳ではない。東京という街に憧れ、地方から出てきたのだ。

わざわざ東京に出てきて、「働く・住む」という意思の強さからして人間的に優れていると私は思う。

恥ずかしい過去だが、昔の私のように、遊び回りたいだけの人間もいるだろうが、基本的には上昇志向が強く、現状を良くするために行動した人たちが東京に住む人たちだ。

私の知り合いに、バッグ一つで上京し、トイレ掃除から始め、遂にはホストクラブNo.1に上り詰めた男がいる。
確かに、地方でもホストにはなれる。No.1にもなれる。だが、東京でNo.1になる意味を考えると…。「どうせ、No.1になるのなら大都会東京で!」という上昇志向を掻き立てているのだ。

更にこの様な人たちは、色々な地方から集まっているので、皆東京の色にとけ込もうと努力している。地方の様に閉鎖された「ムラ社会」の様なものはなく、皆平等にそれぞれの生活を維持している。
その故、初対面の人と出会ってもお互いに尊重し仲良くしようとしている。上辺だけ取り繕ってうまく打ち解けたいだけの様な人間もいるだろうが、基本的に敵味方、よそもの、のような精神はなく、お互いによりよい社会を目指していると思う。



次の焦点は、『交通機関』に当ててみます。



まず会津では車が無いと生活が出来ない。
どこへ行くにも車は欠かせない。

バスは2時間に1本、列車は単線で1時間に1本。

私の実家から、最短距離のコンビニ…。

聞いて驚くと思うが、車で片道10分以上だ。

雪深き会津。これに冬季間であればアイスバーンの路面。

コンビニに行くだけで腰が重くなってしまう。
それが地方なのである。



地下鉄が張り巡らされ、バスも5分おきに発着する東京だが。
車が必要ない東京都心に住むと色々な面でコストが浮くと思う。

一つの例として、東京に住むと自動車運転免許すら必要がない。
ほぼ身分証明書としてしか使わないアイテムであろう。
東京の親しい知り合いに、5人も免許を持っていない人を知っているが、30歳を超えた男が免許無しでも生活できる世界なのである…。
考えだすと、メリットがたくさん浮かんでくる。



そして『商業』についてだ。

地方では圧倒的にイオンやヨークベニマルが指示されている。

会津では最近になり、ショッピングモールとは言えないが、衣料やゲームセンター、雑貨屋、食品関係が一緒になった複合施設もポツポツと出来始めた。
家族で休みに訪れる場所は、そう言った複合施設。
デートで行く場所は、少し景色の良い場所を訪れ、地元の居酒屋をリザーブ。フランチャイズの居酒屋ができれば、最初の数ヶ月は繁盛するが、半年も経てば閑古鳥が鳴く。
ゲームセンターも数える程しか無い中、女子高生など若い子にとっては、プリクラ機やカラオケボックスがあれば、憩いの広場になり得るのかもしれない。


これが地方の店の現実なのだ。


話を移して東京。

若者は渋谷・原宿、ネオン街・新宿歌舞伎町。芸能人・セレブは六本木・銀座、歳を召された方々は巣鴨・浅草と細分化された街が存在する。更に言えばオタクは秋葉原か…。

世代やジャンル別に、それぞれの嗜好に合った商業地が存在する。

地方では、電化製品などの部品を売っても潰れる。歌手の安室奈美恵さんが着そうな服を売っても採算が取れない。

しかし、東京では手作りの漆器専門店が生計を立てるほど売上を上げている。

国分寺・巣鴨などの特殊な専門店街が発展しているのは、都心部の人口の密集がなせる技だと思う。



最後に『東京という街に求めること』です。



東京に毎月の様に足を運んでいると、東京という都市に、誰でも知っている多くの物が密集していると感じられる。
軽く上げるだけでも、東京スカイツリー、東京タワー、サンシャイン60など、巨大施設はいくらでも出てくる。

これまで述べてきた様に、東京が日本の中心だという事が証明できると思う。

情報の発信もほとんどが東京から。全国ネットのテレビ局や出版社が立ち並ぶ。
私は今年で30歳を迎えるが、あと5年若かったら東京に出て、一から修行してみたい。
専門分野が非常に発達している東京という場所で10年修行すれば地方で、いくらでも生計を立てられるレベルの技術力が手に入るだろう。

東京は学ぶための場所、自分自身を大いに成長させてくれる場所として非常に優れた場所だと感じた。


『間も無く、上野、上野。上野到着です。』

さぁ…大きく深呼吸。
今回の出張でも沢山の有意義な出逢いに恵まれればと願い、改札口をスタートラインにし歩き始めるとしますか。